October 20, 2026
税理士試験2026:合格率21.6%の科目を5つクリアするのに「平均で何回」受験が必要になる計算か
税理士試験の科目合格制度(一度合格した科目は一生有効)の仕組みを解説し、実際の合格率21.6%を使って、1科目をクリアするまでの期待受験回数を計算する。
税理士試験は、国税庁が実施する国家試験で、令和8年度(第76回)サイクルの試験日程は4月20日に出願受付開始、5月8日に締め切り、8月4日〜6日に筆記試験という日程で既に公表されています。最も直近にデータが得られている令和7年度(FY2025)サイクルでは、出願者45,517人、受験者36,320人、合格率21.6%、合格者7,847人という結果でした。
1. 税理士試験には「一発合格」という制度自体が存在しない。 税理士試験で資格を得るには、必修の会計科目2科目(簿記論・財務諸表論)と、税法に属する科目のうち3科目、合計5科目に合格する必要があります。ここで重要なのは、5科目すべてを同じ年に合格する必要はなく、一度合格した科目は生涯有効で、期限切れになることがないという点です。つまり、ある年に1科目だけ合格し、別の科目は翌年、さらに別の科目は数年後に合格するという積み上げ方式が、制度として最初から想定されています。
2. どの解説記事も計算していない、1科目あたりの「期待受験回数」。 令和7年度の全体の合格率は21.6%でした。これを「1科目を1回の受験で合格できる確率」として単純化したモデルで考えると、期待される受験回数は1÷0.216=約4.6回になります。つまり平均的には、1科目をクリアするまでに約4〜5回の受験サイクルが必要になる計算です。これを5科目すべてに単純に当てはめると、1科目ずつ順番に挑戦していく場合、5科目×約4.6回=約23回分の受験サイクルに相当する計算になります。
3. この「約23回」という数字は、文字通りの予測ではなく、制度の設計理由を説明するための単純化モデルである。 実際には、多くの受験者が1回の試験で複数科目に同時に挑戦するため、23年間受験し続けるという意味ではありません。また、受験者の学習の積み重ねによって年々合格率が上がる人も多く、独立同一分布を仮定したこの単純化モデルは、現実の個々人の合格ペースを正確に予測するものではありません。しかし、この計算が示しているのは、なぜ税理士試験が「1年で全部受かるかどうか」ではなく「生涯有効な科目合格を何年かけて積み上げるか」という設計になっているのか、という理由です。合格率が20%前後という難易度のまま、5科目を1回の受験サイクルで全部クリアすることを前提にした制度にしてしまうと、現実的に合格できる人がほとんどいなくなってしまうため、科目合格を生涯有効にすることで、長期間にわたる積み上げを可能にしているのです。
4. 出願者と受験者の差も見ておく。 出願者45,517人に対して実際の受験者は36,320人で、差は9,197人、比率にすると20.2%――出願者のおよそ5人に1人が、出願したものの実際には受験していません。
税理士試験2026年サイクルの最新日程は、Camino Prepの税理士試験2026カレンダーページで確認できます。他の試験の日程は試験カレンダーにまとめています。